この度の能登半島地震により被災された皆様、ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

 

 当社は、独自性をもって、常に存在価値のある住宅資材提供会社を目指すとともに、個々の力を結集して「選ばれる企業」、そして「社会に認められる企業」を目指しております。当社を取り巻く環境は目まぐるしく変化しておりますが、これまで培った専門商社としての経験・知識・ネットワークを最大限に生かしつつ、時代の変化や顧客のニーズに的確に対応し、さらなる企業価値向上に努め続けてまいります。

 

 振り返って、2023年11月期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う行動制限の大幅な緩和により、社会経済活動は正常化が進み、個人消費やインバウンドなどにも回復傾向がみられました。しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う資源・エネルギー価格の高騰、世界的な金融引き締めに伴う円安の進行に起因する国内の物価上昇、イスラエルとハマスの武力衝突による更なる地政学リスクの発生等により、先行き不安な状況が続きました。

 

 当住宅関連業界におきましては、物価高や建築資材価格の高騰に伴う住宅価格の上昇から、住宅取得マインドの低下が懸念され、当社の主たる市場である持家及び戸建分譲住宅の新設住宅着工戸数は前年同月に比べて減少傾向が続くなど厳しい事業環境となりました。また、住宅ローンの変動金利は低水準を維持しているものの、固定金利は上昇し始めており、今後の動向については注視していく必要があります。

 

 このような状況のもと、当社は、環境や省エネ・創エネに配慮した住宅設備機器の拡販や当社の強みである施工力を非住宅分野への切り口として活かすとともに、既存取引先との関係強化と新規取引先の開拓を図り、売上高の拡大に努めてまいりました。また、当社オリジナル商品については、工期の短縮化が可能かつ廃材処理は梱包材のみとなる商品や、SIAA認証を受けた抗菌・抗ウイルス加工を表面に施したフローリングなど、施工現場での職人不足・環境問題の解消や感染症の蔓延を機に醸成された「より安心できる暮らしの実現」への期待に寄与する商品の開発・販売に努めました。さらに、一般ユーザーの皆様に当社への関心をより高めていただけるよう、インスタグラムの開設やスプロートユニバーサルシリーズのウェブサイトのリニューアルなど、リブランディングを図ってまいりました。これらの販売施策とあわせて、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などを活用し、業務のさらなる効率化を行い、業績の向上に努めてまいりました。

 

 今後も、当社の主たる市場である新築住宅市場はもとより、リフォーム・リノベーション市場や非住宅市場などに対して、施工付販売や物流機能を活かし、既存得意先との関係強化と新規取引先の開拓に努めてまいります。また、工事機能のさらなる充実による工事売上・工事領域の拡大、太陽光発電システム・蓄電池等をはじめとした環境配慮商品やオリジナル商品の拡販などに注力するとともに、業務の効率化を図り、業績の向上に努めてまいります。

 

 株主・投資家の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

2024年2月

代表取締役社長 北村 誠